約30年前のバイクのエンジンを整備し復活させようっていう話です.バイクを乗れるように復活させるわけではありません;;
もっと言うと,エンジンの整備というより,キャブレターの整備です.
バイクはこちらです.
ヤマハ セロー225(1KH).昭和60年に発売された,セローの一番初期のモデルです.
長い間(25年以上?),車庫の奥で眠っていたため,埃がかぶっており小汚いですが雨などには晒していないため錆はほとんどありません.走行距離は1万キロ弱なので,エンジンなどは大きく痛んでいないはずです.たぶん.
サービスマニュアルも購入したので.エンジンを全部ばらしてオーバーホールしようかとも思ったのですが,それをやると夏休み期間で終わらない可能性があるのでやめました.
キックをしてみると,ピストンはスムーズに動いている様なのでとりあえずエンジンは良しとします.
前置きが長くなりましたが,今回はキャブの分解清掃です.
キャブレターです.
サービスマニュアルに沿って順番に分解していきます.
1.上蓋(ミキシングチャンバキャップ)を外す
頭をなめないように慎重に外すのみです.ここを外すとジェットニードルを保持している部品類が
見えてきます.
2. スタータープランジャ(チョーク),ダイヤフラムを外す
ダイヤフラムには薄いゴムが使用されているので,破らないように注意.
3.フロートチャンバーを外す
ガソリンを抜いて保存していなかったため,フロートタンクやらはガソリンの残留物でドロドロベタベタでした.すごく臭いです・・・.
4.フロートを外す
フロートチャンバーの油面に応じて上下し,ニードルバルブを開閉させる重要なパーツです.
破損させないように慎重に扱います.
フロートを保持しているピンを抜くときには,黄色矢印の方向に向かって抜くように指示されています.取り付けるときは赤矢印の方向に挿入します.
5.ジェット類を外す
外すのが難関のパイロットジェットです.
マイナスドライバーで外すのですが,ガソリンの残留物やサビが原因で固着していることが
多く,なかなか回らない上に,真鍮製で柔らかいため,ねじ頭をつぶしやすいのです.
ネット上でも外れなくなってしまったという情報がありました.私も見事につぶしました・・・
メインジェットは六角レンチなどで外せるので,頭がつぶれる心配はありません.たぶん
なめてしまい頭がなくなってしまったので,ドライバーを当てたままハンマーで渾身の一撃.
柔らかいことが幸いしてドライバーの先端がめり込み,外すことができましたが・・・
当然,燃料が通る孔は潰れてしまったので.新品を購入することが確定いたしました(泣)
フロートは問題なさそうだったのでそのまま使用することにしました.
メインジェット,ジェットノズル,パイロットジェット,ニードルバルブ,バルブシートは汚く,孔が詰まっているため交換,ジェットニードルには曲がりなどが見られなかったため, 清掃してそのまま使用します.
ジェット類を始め,パッキンやガスケットといった消耗品がセットになって販売しているショップがあったので助かりました.もし販売していなかったらこの時点で詰んでいました.
新旧部品 |
灯油に浸しておけば自然に溶けるかと思い,2日間くらい灯油に浸しておきましたが,全く溶ける気配がなく,ブラシでこすっても全然きれいにならないため,キャブクリーナなるものを購入しました.
ガソリンの残留物やこびりついたゴムも除去できるそうです.素晴らしい.
ビフォーアフタ.
before |
after |
かなりきれいになりました.
過剰に流れこんだガソリンは赤丸で囲んだ部分から外へ排出されます.(オーバーフロー)
黄色丸で囲った部分はスタータージェットと呼ばれ,チョークを引いた時に燃料を吸い込むためにあります.
以下,簡単な断面図
断面図 |
赤丸と緑丸で囲んだ部分は古くなったガソリンの残留物で詰まっていることが多いため,ブロワーや針金で清掃します.特に,緑丸のところは穴径がまち針よりも細いため,詰まりを解消するのは
困難です.私は,パーツクリーナーとブロワー吹きを交互に繰り返してようやく解消しました.
※オーバーフローのところは問題ないですが,ジェット類を清掃する際に,穴に針金などを通すと穴径が変わってしまうため,ご法度とされています.針金通すのは最終手段です.
いろいろな部分のネジが固着しており,幾つか外すときにネジの頭をなめました.
幸いなことに,叩いたり,ドライバーとネジ頭の間にゴム板を挟んで回したりしているうちに外れたので,ドリルで破壊するといった面倒なことにはなりませんでした.
組み立ては外した時と逆の順番で取り付けいけば問題ないですが,組み付ける向きが指定されている箇所などを記述します.
・メインジェットリング
メインジェットに取り付けるプラ製のリングです.こいつの役割はよくわかりませんが向きが決まっています.
メインジェットリングの向き |
・ダイヤフラム
少々写真が見にくいですがこんな感じです.
ダイヤフラムの上にばねがあります.カバーを取り付けるときにダイヤフラムがずれないように
するだけです.
円筒形のスロットルバルブの側面には溝があり,決まった方向にしか取り付けられないので
問題ありませんが,ジェットニードルにはいくつか部品が取り付けられており,向きが決まっています.以下簡単な説明図.
リングには凸部分があり,スロットルバルブの穴にハマるようにすれば問題ありません.
ちょっと迷いやすいのが,ニードルホルダーの向きです.サービスマニュアルを見ても向きが
わかりにくいのですが,よく見るとニードルホルダーの中間部分のテーパーが違うことから
向きが判別できると思います.この辺は分解するときによく確かめておくべきですね.
あとは迷うことなく組み立てられると思います...(手抜き)
点火系統に問題もなく,エンジンがかかることは確認できたのでひとまず良しとします.
しかし,アイドリングが不安定で,ある程度エンジンを吹かしてもエンストしてしまいます.
(動画が無いのが残念・・・)
今後は安定してエンジンかかかるように調整することです.
今回行ったこと
・エンジンの清掃(外側)
・キャブのオーバーホール
・プラグ交換
・オイルキャッチタンクの購入取り付け
今後の課題
・エンジンを確実に保持.固定するための台を作製.燃料タンクを装備.
・キャブの調整
・排気管の取り回しをなんとかする&静音化
・発電部(最重要)
続きは多分年末~来年頭.
では.